尾瀬の水芭蕉を父に見せたくて

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6月3日。

台風6号が接近し、出発直前まで迷っていた尾瀬旅行。

私は自他ともに認める晴れ女だ。

これまで何度も悪天候予報の旅行を経験してきたが、不思議と行き先では雨がやみ、移動を始めるとまた降り出すことが多かった。

20年以上一緒にいる旦那も、「またか」と笑うほど。

だから今回も、なんとなく大丈夫な気がしていた。

雨に降られずに尾瀬ヶ原を歩ける。

そんな妙な自信があった。

きっかけは、お正月に父がぽつりと漏らした一言だった。

「ずっと尾瀬へ行ってみたかったんだよなぁ……。

尾瀬の水芭蕉を見たかったんだけど、結局行けなかったなぁ……。」

え?そうなの!?

もっと早く言ってよ😅

私は『トム・ソーヤの冒険』の著者であるマーク・トウェインの言葉を思い出した。

「今から20年後、あなたはやったことよりも、やらなかったことにずっと失望しているだろう。ゆえに、もやい綱を解き放ち、安全な港から船を出し、貿易風を帆に捕らえよ。探検し、夢を見、発見するのだ」

その言葉が頭に浮かんだ。

父がずっと見たかった景色を、今ならまだ見に行ける。

来年のことは誰にもわからない。

ならば、父の夢を叶えよう

6年前に母が亡くなり、父は今も一人暮らし。

70代後半までは庭木によじ登って剪定をするほど元気で、家族をヒヤヒヤさせていた。

そんな身軽だった父も、最近は歩き方がおじいちゃんらしくなってきた。

来年の体調がどうなっているかは誰にも分からない。

思い立った私は図書館で「るるぶ」を借り、どこに泊まればいいのか、どんな計画なら85歳の父が無理なく尾瀬を楽しめるのかを調べ始めた。

実家から尾瀬までは高速道路で約2時間🚙

しかし私は高速道路の運転が苦手だ。

旦那は仕事があり、平日に休みを取るのは難しいと言う。

そこで、他県に住む運転上手な姉を誘ってみた。

すると姉はすぐに快諾してくれた。

実は、父・姉・私の3人だけで旅行をするのはこれが初めて。

実家へ向かう前夜、私は自宅にある母の小さな骨壺に手を合わせた。

「旅の安全を見守ってね。

それから、お母さん。当日は雨がやむように味方してね。」

そう話しかけてから、

子どもたちを旦那にお願いし、私はひとり新幹線へ乗り込んだ。

心配性の娘は、尾瀬に熊が出ることを知ると、熊対策の方法をたくさん調べていてくれて私に教えてくれた

「ママ!熊鈴は絶対に持っていってね!

もし熊に会ったら荷物を大きく振って、自分を大きく見せるといいみたいよ!

熊スプレーも買ってね!」

熊スプレーまでは買わなかったなぁ。。。ごめんよ。

いよいよ、尾瀬への旅が始まる。

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